僕がモノを選ぶときに一番大事にしているのは、買ったあとに迷いが残らないことです。
高いか安いか。
スペックが上か下か。
そういうことももちろん考えます。
でも最後に見るのは、「自分が納得しているかどうか」です。
この記事では、僕が普段モノを選ぶときに考えている基準を書いてみます。
モノを選ぶ時間は嫌いじゃない
モノを選ぶ時間は、嫌いではありません。
調べて、比べて、悩む。
その過程も含めて楽しいものです。
レビューを読み、スペックを確認し、実際に使っている人の話を探す。
そうしてようやく一つを選びます。
物によっては、数ヶ月かけて吟味することもあります。
けれど、選び終わったあともどこか落ち着かないことがありました。
上位モデルが気になったり、
安い選択肢を選ぶべきだったのではないかと思ったり。
手に入れたはずなのに、頭の中では比較だけが続いている。
本当に欲しかったのは「正解」ではなく、迷いが残らない状態だったのだと思います。
実例
安いほうを選んだ話(車選び)
数年前に車を買い替えるとき、ホンダのシビックタイプRを検討していました。
当時、ちょうどFL5型が発売された頃で、たまたま最寄りのディーラーに試乗車があったので運転もさせてもらいました。
エンジン音、排気音、デザイン、質感、走りの満足度・・・全てが完璧でした。
さらにおそらくタイプR最後の純ガソリン車ということで、購入時の価格は高価なものの、将来リセールバリューも見込める。
手放す時までのトータルのコストパフォーマンスは高い。
僕にとっては、かなり“正解に近い”選択だったと思います。

ただ、現実的な問題が一つありました。
妻の決裁が下りませんでした。
家庭を持つ身であり無尽蔵にお金が湧いてくるわけでもない。
大きな買い物をするときは当然妻に相談する流れになります。
僕が少し浮かれているとき、横から妻の冷静な意見が入ることも多い。
いわば、我が家の安全装置のようなものです。
反対を押し切ってシビックを買っても、気持ちよく乗れない。
そこで改めて候補に浮かんだのが、ダイハツのコペンでした。
シビックタイプRと比べると価格は約半額、性能も違う。
一般的には、同じ土俵で比べられる車ではありません。
それでも最終的に選んだのはコペンでした。
決め手になったのは、生活との相性です。
サイズ感や使い方、日常の動線。
自分の暮らしの中に置いてみると、コペンの方が自然に馴染む気がしました。
軽自動車なので維持費も抑えられます。
気負わずに付き合える、いい選択をしたと思っていますし、この選択に後悔はありません。
実際にコペンに乗り始めて以降、タイプRが気になることもほとんどありませんし、「安い方で妥協した」という感覚も残っていません(コペンも軽自動車としては決して安くはない)。
残ったのは、納得だけでした。
こういう買い物は、あとから迷いません。
余談ですが、僕が就職して初めて買った車がL880K型(初代)のコペンでした。
そのコペンは新車で買って半年後に事故で廃車となり、未練があったのです。
まさか結婚してから再びコペンを買う日が来るとは思っていなかったので、妻には感謝です。
多くの家庭ではコペンも奥様の決裁が通らない気がします。
我が家はまだ優しい方かもしれません。
高いほうを選んだ話(ハイブランドの旅行バッグ)
逆に、高い選択をしたこともあります。
旅行用のバッグを探していたときのことです。
ボストンバッグが欲しいと思っていたのですが、軽くて安価、しかも機能的で丈夫なバッグはいくらでもあります。
実用性だけで考えれば、そちらを選ぶ方が合理的だったかもしれません。
ワークマンのバッグなんてコスパ最高です。
そんな中、最終的に選んだのはルイヴィトンのキーポル50でした(なぜか妻決裁通過)。
確かに、使う回数は多くありません。
ただ、使ったときに残る記憶の濃さが違います。
旅行の前日にバッグを用意する時間。
空港や駅で足元に置かれた姿。
車のトランクから取り出す瞬間。
ホテルの部屋に置かれている風景。
そういう断片が、なぜか強く記憶に残ります。

使用回数だけで考えれば、もっと合理的な選択はあったと思います。
それでも後悔はありません。
使用頻度ではなく、体験の密度で選んだからです。
使う回数は多くなくても、使うたびに記憶に濃く残る道具があります。
キーポルは、僕にとってそういう存在です。
僕のモノ選びの基準
では、何を基準にモノ選びをしているのか。
買い物をするとき、僕にはいくつか自分の中で確認していることがあります。
長く付き合えるか
修理ができるか、使い込んだ姿が味になるかをまず考えます。
安価な合皮や化学繊維は、使い込むほどに経年劣化していきます。
一方、例えば本革は使い込むほどに日焼けし、オイルがなじみ、それらが味となって経年美化します。
新品が最高の状態のモノではなく、使い込むことでむしろ状態が良くなるモノを選びます。
時間が経っても自然に使えるものかどうか。
数年後の(歳を重ねた)自分が見ても違和感がないか、今の空気感に流されていないか。
流行が一巡したあとでも、自然に使い続けられるか。
流行、トレンド品は、数年で陳腐化(簡単に言えば、古く見えてしまう)します。
一方で、トレンドの影響を受けにくいモノ(ボストンバッグや革靴など)は何年経っても使うことができます。
前述のキーポルも、大元のデザインは100年以上変わっていません。
少し時間が経ってから見ても、
「やっぱりこれでよかった」と思えるものを選びたいと思っています。
生活に無理がないか
価格も大事です。
初期投資だけでなく維持費も含めて、今、そして将来の暮らしの中に自然に収まるかどうか。
どんなに良いモノでも、生活に無理が出るようなら長くは使えません。
時には背伸びをすることもありますが、基本的には等身大のモノを選ぶようにしています。
絶対評価で考える
理屈を通したあとでも、どこかに小さな引っかかりが残っていないか。
ここが一番大事だと思っています。
前述の「生活に無理がないか」は、言い換えれば上限を決めるということです。
一方で、逆に下限も決めることが、彩りのある生活を送る上では重要です。
この、上限と下限は価格だけの話ではありません。
前述の車の話で言えば、コペンは走りの面や所有感で下限を満たしていました。
ですから、買った後になって、いつまでも他の車が頭の中でチラつくことがないのだと思います。
正解ではなく、納得
安く済ませることが正義でも、高価なものを選ぶことが正解なわけでもありません。
大事なのは、その中で自分の基準に戻れるかどうかだと思っています。
全てを高級、高機能なモノで満たすことは現実的ではありません。
ですから、限られた資金の中で自分が納得できる基準を作っているのです。
そうした基準を満たしたモノ選びをした結果、気持ちに小さな妥協を残さないこと、選んだあとに迷いが残らないこと。
それが、今の自分にとってのモノ選びです。
このブログでは、そんな基準で選んできた道具や日用品について書いていきます。
特別なものばかりではありません。
けれど、生活の中で実際に使い続けているものです。
暮らしに、ほんの少しの彩りをくれる道具たちを、ここに記録していこうと思います。
